今日は音楽における「スケール」について少し話してみたいと思います。
この言葉を初めて耳にする方にとっては、「スケール?何それ?定規?」と思うかもしれません。
いいえ、音楽の話です。
さて、ここで突然クエスチョンです。
アニメや映画をみている最中、アラビアンナイトなアニメや映画のBGMを聴いて、どこかアラビアンナイトっぽい感じがしたことはありませんか?沖縄の風景が流れている時のBGMはどこか沖縄民謡っぽい感じがしたことはありませんか?
実は、それらの「っぽい音楽」と感じる背景にはある秘密が隠されています。もうお気づきですね。それは「スケール」です。
Wikipediaによると、
「スケール『音階:scale』は、音を音高により昇順あるいは降順に並べたものである。」とあります。音を高低の順番に並べたもの。
引用:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E9%9A%8E
との記載があります。
一番イメージしやすいのはピアノの鍵盤ですね。ピアノの白い鍵盤を見ると、ドレミファソラシと低い音から高い音へ音が順番に並んでいます。
(音階は1オクターブの中に12音ありますが、ここでは便宜的にドレミファソラシの7音しか表記していません。ちなみに白い鍵盤は白鍵と呼び1オクターブ中に7個、黒い鍵盤は黒鍵と呼び1オクターブ中に5個あります。黒鍵にも音階の名前があったりしますがここでは割愛します。)
音の並びをパッと見て、分かりやすくするために少し色を付けてみます。 ピアノの鍵盤は白くて綺麗なので色を塗布できません(塗布したくありません)。ですので、音階に色を付けた紙面をご用意しました。白鍵に色をつけています。黒鍵はグレーです。
音を鳴らしてみましょう。
「っぽい音楽」と感じる背景には、ドレミファソラシの音階の組み合わせ方によって作り出されるスケールの存在があります。アラビアンナイトな雰囲気を醸し出すスケール、沖縄民謡っぽい雰囲気を醸し出すスケールだけでなく、童謡や演歌っぽいスケール、スペインのフラメンコっぽいスケールなど種類は様々です。それらが、わずか12音の組み合わせによって表現されており、聴き手は「っぽさ」を感じているのです。不思議ですね。
例えば、この図を見てみましょう。
一番上にはピアノと同じ音階が並んでいます。次の段には「ヨナ抜き音階」とあります。隣の四角を見てみましょう。
上のピアノ音階と少し異なるのがお分かり頂けると思います。「ヨナ抜き音階」にはグレーの四角がありません。そして、「ファとシ」の四角もありません。「ヨナ抜き音階」はピアノ音階から「ファとシ」を除いた音階だけで演奏するスケールということになります。
ちょっと音を出してみましょう。
ちなみにこの「ヨナ抜き音階」はドレミソラの5つの音階だけで奏でますが、このスケールは日本の童謡のなかでよく登場します。 例えば、
- 桃太郎
- かたつむり
- 金太郎
- こいのぼり
他にも、J-POPでも有名曲に使われるスケールだったりします。
古き良き日本の童謡から続く日本のソウルが込められたスケールだから、日本人の心に響く、ということなのでしょうか。。。
続いて、「琉球音階」も見てみましょう。
ヨナ抜き同様に黒い四角がありません。そして、今度は「レとラ」が見当たりません。「レとラ」を除いたドミファソシの5つの音階だけで奏でる音楽を琉球音階と言い、このスケールの組み合わせが沖縄っぽさを醸し出しています。
音を出してみます。
おー、なんとなく沖縄っぽくないですか?
初めてスケールと聴いた時は、全く意味が分からずイメージすらできませんでしたが、このように図でみて、実際に音を鳴らしてみると納得できます。しかし、音楽っていうものは、たった12音の組み合わせだけにもかかわらず、表現方法に限りがないというところが魅力的であり、魅惑的ですね。
最後にアラビア音階も。
どことなく、アラビアンナイトっぽい感じがしますね!
今回は、ここまで。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました!